JAN!イベント横浜市役所で「日本カーリング選手権」観戦

横浜市役所で「日本カーリング選手権」観戦!市が仕掛ける“にぎわいスポーツ”の未来

横浜市役所で「日本カーリング選手権」観戦!市が仕掛ける“にぎわいスポーツ”の未来の画像1
横浜の街に、ドーンとカーリングが!
この記事の画像(5枚)


6月7日から14日まで、新しく生まれ変わった「横浜BUNTAI」で国内最高峰の戦いが繰り広げられた「日本カーリング選手権大会 横浜2026」。大会の熱戦を届けるべく、6月11日(木)には横浜市役所1階アトリウムにてパブリックビューイングが開催されました。本企画担当者のお話とともに、その様子をお届けします。

【目次】
■横浜市役所が熱気に包まれたパブリックビューイング
■トップスポーツの魅力を子どもたちへ届ける
■「カーリングといえば横浜」を目指して
■横浜市にぎわいスポーツ文化局が思い描く「スポーツツーリズム」

横浜市役所が熱気に包まれたパブリックビューイング

6月11日の夕暮れ時、みなとみらい線・馬車道駅に直結する横浜市役所の1階アトリウムは、普段の雰囲気から一変して、静かな熱気に包まれていました。この日、アトリウムでは横浜BUNTAIで行われていた「日本カーリング選手権大会 横浜2026」女子2次予選リーグ、フォルティウス vs SC軽井沢クラブ戦のパブリックビューイング(PV)が開催されました。

17時30分の開場とともに、多くの市民が巨大スクリーンを中心とした特設ステージの前に集まり、席を埋めていきます。馬車道駅から続くエスカレーターを上った先に設けられた会場を横目に、道行く人もみな興味深そうにその様子を眺めます。

横浜市役所で「日本カーリング選手権」観戦!市が仕掛ける“にぎわいスポーツ”の未来の画像2
大画面で観戦!

 これまで国内最高峰のカーリング大会である「日本カーリング選手権」が首都圏で開催されることはなく、昨年、初めて神奈川県で開催。これまでは北海道や長野など、主にカーリングが盛んな寒冷地域の数百人規模の会場で行われてきましたが、今回は「横浜BUNTAI」を舞台に、なんと例年の10倍以上の観客を収容するビッグスケールでの開催が実現しました。

その結果、大会チケットはほぼ100%完売という反響を呼び、会場に入れなかったファンの受け皿として、また多くの市民にカーリングを身近に知ってもらう機会として、横浜市主催によるこのPVが企画されました。

トップスポーツの魅力を子どもたちへ届ける

横浜市役所で「日本カーリング選手権」観戦!市が仕掛ける“にぎわいスポーツ”の未来の画像3
みんなで見ると盛り上がりますよね。

大画面に映し出されるストーンの絶妙な軌道や、選手たちの緊迫した掛け声に、アトリウムの観客も試合の行方を固唾をのんで見守り、一喜一憂するのでした。

横浜市は本大会を単なる一過性の興行に終わらせるのではなく、未来を担う子どもたちが”トップスポーツに触れられる教育”の場としても位置づけています。大会期間中には、子どもたちが選手とともに入場する「エスコートキッズ」の募集や、市内の学校単位での試合観戦招待といった取り組みを積極的に実施。

さらに大会に先駆け、今大会の出場チームである「フォルティウス」からミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックにも出場した吉村紗也香選手と小谷優奈選手が市内の小学校2校を訪問。氷の上ではなく体育館の床で行う「フロアカーリング」を通じて、子どもたちに競技の楽しさを直接伝えるスクールも開講されました。

「カーリングといえば横浜」を目指して

今回のPVイベントの仕掛人である、横浜市にぎわいスポーツ文化局スポーツ振興課の吉田智一課長に、イベント開催のきっかけから横浜市が目指すスポーツによる街の活性化について、話を聞きました。

横浜市役所で「日本カーリング選手権」観戦!市が仕掛ける“にぎわいスポーツ”の未来の画像4
横浜市にぎわいスポーツ文化局スポーツ振興課の吉田智一課長

ーー今回、市役所でのパブリックビューイング実施に至った経緯を教えてください。

吉田智一さん(以下、吉田):日本カーリング協会さんから「オリンピックや世界選手権のようなアリーナ環境で選手を試合に臨ませ、育成につなげたい」という強い趣旨をいただいたことが始まりです。横浜市としては「横浜BUNTAIで氷を張る技術的な対応が可能である」ということで手を挙げました。

「日本カーリング選手権大会 」としてはこれまでにない観客規模の大会で、横浜というアクセスの良い地での開催ということもあり、日本全国からお客さんが集まってくれている手応えがありますし、カーリングの普及に大きく役立っていると感じます。ただ、現地チケットがほぼ完売してしまったので、今回、市役所でのPVを企画しました。

 このPVにもキャパシティいっぱいの申し込みがあり、盛り上がりを感じています。年配の方を中心に幅広い層に届いている印象ですが、特に子どもたちには本物のトップスポーツ、トップ選手を見てほしいという強い想いがあります。学校訪問では選手たちにフロアカーリングをやってもらったのですが、子どもたちは本当に楽しそうでした。

 ただ、子どもたちがどれだけカーリングに興味を持っても、「実際に体験できる場所が市内にない」というのは今後の大きな課題です。ハード面をすぐに整えるのは難しいですが、まずはこうしたソフト面で競技を深く知ってもらうことから始めています。

 山中竹春市長も「カーリングといえば横浜」と言えるような未来を目指すと公言していますので、未来に向けてしっかりと施策を組み立てているところです。

横浜市にぎわいスポーツ文化局が思い描く「スポーツツーリズム」

ーー近年、横浜市は様々なスポーツイベントに力を入れていますが、「にぎわいスポーツ文化局」としての意義や、今後の展開についてお聞かせください。

吉田:これまでのスポーツ課やスポーツ局だったら「スポーツだけやっていればいい」ということだったかもしれませんが、今の「にぎわいスポーツ文化局」は、スポーツと文化を連携させながら街をどうにぎやかにしていくか、という視点を持っています。

 ただ大会を開催して終わりではなく、日本全国からお客さんに来てもらい、横浜の街を楽しんで泊まってもらい、地域にお金を落としてもらう、いわば「スポーツツーリズム」の仕組みが不可欠です。横浜にはプロスポーツチームがたくさんあり、新しくバレーボールチームの参入も決まりました。こうした豊かなスポーツ資源を、日産スタジアムや横浜アリーナのある新横浜エリアだけで完結させず、みなとみらいや馬車道といったベイエリアへと回遊させる仕組みづくりが、現在の大きな挑戦となっています。

横浜市役所で「日本カーリング選手権」観戦!市が仕掛ける“にぎわいスポーツ”の未来の画像5
みなさん真剣に観戦、結果には一喜一憂!

ーー回遊性を高めるために、具体的にはどのようなアイデアや今後の展開を考えているのでしょうか?

吉田:文化施策では定番の「スタンプラリー」にスポーツ要素を絡めたり、今、横浜を舞台とした劇場版で話題の『名探偵コナン』といったポップカルチャーとのコラボレーションを模索するなど、従来の枠組みにとらわれない柔軟なアイデアを練っているところです。

ーー横浜市では、2027年に「GREEN EXPO 2027(国際園芸博覧会)」が開催されます。世界的なイベントでもあり、何か連動した企画などもあるのでしょうか?

吉田:博覧会の期間中には、市内のプロスポーツ各チームが枠組みを超えて連携した、新しい試みも視野に入っています。それぞれのチームが持つ力を合わせて、横浜ならではの新しいにぎわいを作っていきたいですね。

***

横浜市は「道路や公共空間といった場所をどう面白く使い倒すか」という、公共空間の活用にも力を入れています。今回の市役所アトリウムでのPVはその好例と言えるでしょう。

 「横浜ゆかりの選手も何人かいるので、そうした選手たちを市民みんなで応援し、まずは身近なところからスポーツに触れてもらうきっかけになれば」と吉田課長が話すように、スポーツのにぎわいを共有できるオープンな場を次々と生み出しています。

スポーツとの関わり方は、自分で「する」だけではありません。「観る」ことや、「ボランティアで支える」ことなど、あらゆる角度からスポーツを日常の中で身近に感じてもらうための仕掛けが、これからの横浜をさらに面白くしていきそうです。

シェアする
須賀原みち

神奈川県出身、フリーの編集・ライター。学生時代は『saku saku』(あかぎあい時代)や『ミュージックトマトJAPAN(ミュートマジャパン)』、『Live y』(いずれもtvk)を観て育った。「F.A.D YOKOHAMA」が初めて行ったライブハウス然としたライブハウス。

ページTOPに戻る