JAN!ライフスタイル【聖地巡礼】観光地だけじゃない「ディープ横浜」が舞台の小説

【聖地巡礼】観光地だけじゃない「ディープ横浜」が舞台の小説7選―鶴見区南区金沢区

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横浜市の日常が小説の舞台になる?(写真は鶴見川の風景)
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 「横浜が舞台」と聞くと、みなとみらいの夜景や賑やかな中華街を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、私たちの愛する横浜の魅力はそれだけじゃありませんよね。私たちが普段暮らしている何気ない日常の街並みや、少しディープな歴史の影、地元のローカルな風景……。

 そこで以前第1弾としてまとめた「【聖地巡礼】読めば絶対に行きたくなる!横浜が舞台の素晴らしい名作小説・文学5選」に続き、今回は、「王道の観光地だけじゃない!ディープ&ローカルな横浜」が描かれた小説を、9作品ご紹介します。

【聖地巡礼】読めば絶対に行きたくなる!横浜が舞台の素晴らしい名作小説・文学5選

 地元民なら「そうそう、ここ!」とニヤリとしてしまうこと間違いなし。本を片手に、まだ見ぬ横浜の街の魅力を再発見してみませんか?

【目次】
①【金沢八景】『明るい夜に出かけて』佐藤多佳子
②【横浜港・お役所の裏側】『こちら横浜市港湾局みなと振興課です』真保裕一
③【横浜18区・ご当地バトル】『横浜大戦争』蜂須賀敬明
④【横浜の病院×SF】『こころのカルテ 潜入心理師・月野ゆん』秋谷りんこ
⑤【鶴見区・京浜工業地帯】『タイムスリップ・コンビナート』笙野頼子
⑥【南区・かつての真金町遊郭】『花園の迷宮』山崎洋子
⑦【本牧・黄金町・戦後の影】『横浜1963』柳広司
まとめ:本を片手に、もっと日常的な横浜へ!

①【金沢区・日常の金沢八景】

作品名:『明るい夜に出かけて』(新潮文庫)著者:佐藤多佳子
舞台エリア:金沢区(金沢八景駅周辺、平潟湾、侍従川など)

 『一瞬の風になれ』(講談社)の佐藤多佳子さんが描く、実在の深夜ラジオ(オールナイトニッポン)とコンビニバイトを軸にした瑞々しい青春小説。

金沢八景周辺のリアルな光景が登場します。平潟湾を横切るシーサイドラインや、夜の侍従川の空気感など、観光地ではない「日常の横浜」の風景が、主人公たちの繊細な心模様と重なって胸に刺さります。

②【横浜港・お役所の裏側ミステリー】

作品名:『こちら横浜市港湾局みなと振興課です』(文春文庫)
著者:真保裕一
舞台エリア:中区(山下公園、氷川丸、象の鼻パークなど)

ミステリー作家・真保裕一さんが描く、横浜市職員たちの奮闘を描いたお仕事エンターテインメント!

ヨコハマ振興のために忙殺される主人公たちのもとに、豪華客船での幽霊騒動や、外国人研修生の失踪といった謎が舞い込みます。

山下公園前に浮かぶ氷川丸や象の鼻パークなど、お馴染みの名所を市役所で働く目線で見られる本作ですが、戦前の横浜の歴史の暗部にも迫っていく、一粒で二度美味しい軽快なミステリーです。

ちなみに、横浜市の歴史や統計資料などは、横浜市中央図書館にかなり揃っているのでおすすめですよ。

③【横浜18区・ご当地カオスバトル】

作品名:『横浜大戦争』(文春文庫)
著者:蜂須賀敬明
舞台エリア:戸塚区(旧ドリームランド)、中区(山下公園)、青葉区(こどもの国)など横浜全域

第4回神奈川本大賞を受賞した、前代未聞のローカル・エンタメ長編! なんと横浜18区それぞれの「神」たちが、地元のプライドを賭けて全面戦争を繰り広げます。

今はなき「横浜ドリームランド」の跡地や今も現役な「こどもの国」など、横浜全域が舞台に。地元愛が強すぎる神様たちのコミカルで熱い戦いに、自分の住む区を応援せずにはいられません!

④【横浜の病院・SFメンタルミステリー】

作品名:『こころのカルテ 潜入心理師・月野ゆん』(小学館文庫)
著者:秋谷りんこ
舞台エリア:横浜みなと大学病院という市内の架空の病院やその近辺

実在の元精神科看護師作家、秋谷りんこさんが描く、優しくも切ない“心の救命治療”の物語。

舞台は「横浜みなと大学病院」。「希死念慮」を抱えた患者の心の中(記憶)に潜入し、その原因をほぐしていく「潜入心理師」たちの葛藤と、人の心の尊さを描いた医療ミステリーです。

横浜のどこかにある病院か、立ち寄った店はどのあたりか、などを想像しながら、一気に引き込まれます。なお本作は、続編の『いのちのカルテ 潜入心理師・月野ゆん 』も発売中です。

⑤【鶴見線・京浜工業地帯の迷宮】

作品名:『タイムスリップ・コンビナート』(文春文庫)
著者:笙野頼子
舞台エリア:鶴見区(鶴見線、海芝浦駅など)

芥川賞を受賞した純文学の傑作。悪夢と現実が交錯する幻想的な世界観の中、主人公が鶴見線の無人駅や、まるで異空間のようなコンビナート地帯を彷徨います。

観光地としての横浜とは真逆にある、工業地帯の静かな美しさが強烈な印象を残す、極めてディープな横浜文学です。

⑥【南区真金町・かつての遊郭】

作品名:『花園の迷宮』(講談社文庫など)
著者:山崎洋子
舞台エリア:南区(真金町周辺)

江戸川乱歩賞を受賞した本格ミステリー。舞台は昭和初期、かつて横浜に実在した巨大な遊郭街「真金町」です。そこで起きた連続殺人事件が妖艶に描かれます。

現在の真金町周辺からは想像もつかない、かつての横浜が持っていた裏の歴史
を感じることができる名作です。

⑦【本牧・黄金町・米軍基地の影】

作品名:『横浜1963』(文春文庫)
著者:伊東潤
舞台エリア:中区(本牧)、南区(黄金町)など

横浜生まれ、横浜育ちの作家・伊東潤さんが、挑んだ現代物・社会派ミステリー長編!。1963年、米軍基地があり、ジャズやアメリカ文化の熱気と、戦後の混沌が同居していた時代の横浜が舞台です。

黄金町の裏通りや本牧のベースキャンプなど、かつての「大人のヨコハマ」の影とリアルな熱量を体感できる一冊。

まとめ:本を片手に、もっと日常的な横浜へ!


横浜が舞台!というとどうしても、全国的に知られているみなとみらいや山下公園付近、あるいは、中華街あたりとなりがちですが、金沢八景の日常、潮の香りが漂う港湾、工業地帯や歴史の影まで。小説を開けば、私たちがまだ知らない横浜のさまざまな顔が見えてきます。

ぜひ、気になる一冊を手に取って、ページをめくりながらお気に入りの「横浜」を旅してみてくださいね。

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大沢野八千代

1983生まれ。横浜の対岸の千葉市で、横浜ナンバーに憧れを抱いて育ったフリーランスの編集者・ライター。ハマスタでササカマにかじりついているところをテレビ中継で抜かれ、家族から指摘された過去を持つ。Googleマップのランクは7。

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