横浜の真ん中に佇む、人と人をつなぐ店 TSUBAKI食堂

中華街やみなとみらいなど、煌びやかな繁華街で賑わう横浜。
そんな横浜も、少し足を伸ばすと、さまざまな野菜が育つ畑が広がっているのを知っていますか?
今回はそんな横浜産野菜の魅力を発信し続ける「TSUBAKI食堂」を取材してきました!
【目次】
・横浜野菜の魅力を伝える
・横浜野菜で満腹に! よこはまサラダランチ
・横浜野菜がつなぐ地域の輪
・都会のすぐそばにある、横浜野菜の魅力
・野菜の向こう側にいる、生産者とのつながり
・食をきっかけに、人と人がつながる
・料理を通じて街をよくしていく
横浜野菜の魅力を伝える
TSUBAKI食堂は横浜市市庁舎の中にある飲食店のひとつ。馬車道駅から直結の横浜市市庁舎は、筆者が訪れた平日の昼下がりでも賑わいを見せていました。TSUBAKI食堂をはじめとした魅力的な飲食店が軒を連ねており、市庁舎というより商業施設のようです!


暖簾をくぐってまず目に入るのは「横浜農場」の文字。横浜野菜の直売所のようになっていて、野菜だけに限らず加工品も幅広く置かれています。
またレジ横にも物販スペースがあり、実際にお店でいただいたサラダに使われていた「小松菜ドレッシング」もここで購入することができます。
お料理をいただく前から、お店が地元の農家さんとのつながりを大事にしていることがよくわかります!
横浜野菜で満腹に! よこはまサラダランチ
さっそく横浜野菜をふんだんに使ったお料理をいただきます。野菜だけでなく、横浜市で生産されている唯一のブランド豚「はまぽーく」を使用したお肉のメニューもたくさんあり、迷ってしまいます……!
人気No. 1! よこはまサラダランチ(税込1400円)

TSUBAKI食堂オーナーシェフ・椿直樹さんのおすすめを伺って、今回はこちらの「よこはまサラダランチ」をいただきました。ドレッシングは名物の小松菜のドレッシングをチョイス。
運ばれてきてまず目に入ったのは色とりどりの野菜。にんじん、紅芯大根、黄かぶなどがたくさん入っており、視覚的にも楽しい一品です。
ポテトサラダ、小松菜ドレッシング、ボイルエッグ、ローストビーフがいい味のアクセントになっていて、ボリュームがありつつ、いつまでも飽きない魅力的な一皿でした。
おにぎりにはごまの風味が感じられ、サラダとの相性がばっちり。お味噌汁は、お肉が入っていなくても満足感があるほどたっぷりの野菜が入っています。
サラダランチ、と聞くとヘルシーであまりお腹に溜まらないイメージがありますが、TSUBAKI食堂のサラダランチは違いました。根菜やごぼうとれんこんのチップスなども入っていて咀嚼回数が多く、食べ終わる時にはお腹いっぱいに。罪悪感なくお腹いっぱいになれるのは大きな魅力です。
・ミニ小松菜ソーダ(税込385円)

TSUBAKI食堂は小松菜を使った料理が名物。飲んでみると小松菜のさっぱりとした風味と炭酸が味わえました。キウイソーダに似た味ですが、甘さは控えめでどんなお食事にも合いそうです。
横浜野菜がつなぐ地域の輪
色鮮やかな野菜をたっぷりと味わえる、TSUBAKI食堂のランチ。こうした料理を支えているのが、横浜野菜です。
TSUBAKI食堂はどのように横浜の農業と関わり、その魅力を伝えてきたのでしょうか。
TSUBAKI食堂オーナーシェフの椿直樹さんにお話を伺いました。

都会のすぐそばにある、横浜野菜の魅力
「TSUBAKI食堂が地産地消に力を入れるようになったきっかけは、約20年前に横浜野菜と出会ったこと」と椿シェフは語ります。
もともとは鎌倉野菜に関心を持っていたという椿シェフ。食材を探すなかで、もっと身近な横浜にもおいしい野菜があることに気づいたといいます。
横浜の魅力は、ほぼすべての区に畑があり、繁華街から歩いて行ける距離にも農地が広がっていること。生産地と食材を提供する場所が近いため、新鮮な野菜を届けられるのも大きな特徴です。
「地産地消を始めた当初は、特定の農家を訪ね、その人が育てた野菜を中心に仕入れていました。しかし、生産者からの紹介などを通じてつながりが広がり、扱う野菜に合わせて仕入れ先を変えるように。今では、それぞれの農家が得意とする野菜や、季節ごとのおいしさを生かした仕入れを行っています。」
野菜の向こう側にいる、生産者とのつながり
生産者との関係を築くうえで大切にしてきたのは、何度も農園に足を運び、顔を合わせること。紹介を受けたからといって、「すぐに信頼関係が生まれるわけではない」そうです。繰り返し訪ね、会話を重ねることで、少しずつ関係を築いてきました。
また、地産地消ならではの難しさも。おいしい野菜を見つけても、突然収穫が終わってしまうこともあり、いつでも同じ食材が手に入るわけではないため、状況に応じてメニューを変更しなければなりません。
長年農家と関わるなかで、どの時期にどの農家がどんな野菜を育てているのかがわかるようになり、仕入れに合わせて料理を考えられるようになったといいます。
「農家の方々が自分の後ろについている」という感覚を大切にしているという椿シェフ。生産者が手間暇をかけて育てた野菜も、調理の仕方によってはおいしさを損なってしまいます。だからこそ、食材を預かる責任を持ち、その魅力をお客さんに届けることを意識しています。
食をきっかけに、人と人がつながる
TSUBAKI食堂の取り組みは、料理を提供することだけにとどまりません。
その一つが、横浜18区の魅力を伝える「18区丼」と、そこから発展したイベント「18区ナイト」です。毎回およそ50人が集まり、地域について語り合う場となっています。椿シェフによると、こうした取り組みを通じて、すでに数百人規模のコミュニティが生まれているそうです。
また、イベントは生産者同士が交流する機会にもなっています。農家はそれぞれの地域で活動しているため、普段はほかの農家と接点を持つ機会が限られることも。イベントで顔を合わせたことをきっかけに、作物について研究したり、情報交換したりする関係が生まれています。
さらに、月に一度、地域の人が自分で作った商品などを販売できるスペース「TSUBAKIセレクト」も設けています。食材に直接関係する取り組みだけでなく、さまざまな人が挑戦できる場をつくることも、TSUBAKI食堂が大切にしている活動の一つです。

料理を通じて街をよくしていく
こうした活動の根底には、椿シェフが起業する際に思い描いた「横浜村」という夢があります。横浜の中心部にビルがあり、その周りに畑が広がっている。そんな風景を思い描いていたといいます。
市庁舎の中に食堂を構え、多くの農家とつながる現在の姿は、その夢を概念的に実現したものなのかもしれません。
地元の食材を仕入れて料理を提供するだけでは、お店の中だけで完結してしまいます。農家の情報を伝えたり、イベントを通じて人々が交流できる場をつくったりすることで、食堂と地域の関係は一方通行ではなくなっていきます。
「料理は一つの手段であって、町をよくすることが一番やりたいこと」
そう語る椿シェフ。
横浜野菜のおいしさを伝えることから始まり、生産者とお客さん、そして地域の人々をつなぐTSUBAKI食堂。その取り組みは今も、食を通じた街づくりの形を模索しながら続いています。
店舗情報
店名 TSUBAKI食堂
住所 神奈川県横浜市中区本町6-50-10 横浜市市庁舎 2F
電話番号 050-5890-6438
開店時間 11:00 – 15:00 L.O.14:30
17:00 – 22:00 L.O.21:00
定休日 無休(年末年始等を除く)
座席数 40席
予約の可否 可
禁煙席の有無 全席禁煙、徒歩五秒に喫煙ルームあり。














