JAN!グルメ横浜市の老舗菓子メーカーに聞く横浜ブランドパワー

【宝製菓】横浜市で64年の老舗菓子メーカーに横浜ブランドのパワーを聞いた

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どこか懐かしく、それでいていつもそこにあるような温かさを感じる宝製菓のビスケット。
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焼き菓子やチョコレートなど、「横浜銘菓」と聞いて頭に浮かぶスイーツは実に様々です。

そんな中、横浜市戸塚区に拠点を構えてはや64年、2026年に創業80年の節目を迎えたのが、お菓子メーカーの宝製菓株式会社です。

同社が手がけるこだわりのビスケットは、「観光のお土産」としてではなく、日常のおやつとして深く溶け込んでいます。神奈川県内や横浜市内だけでなく、全国のスーパーマーケット、さらには海外でも広く愛され続けてきました。

地域に根ざしながら、全国・世界へと美味しさを届ける宝製菓。

代表取締役社長の岩崎 智子 氏、管理部部長の井上 清 氏、生産事業部 工場長の根本 智章 氏の言葉とともに、同社が捉える「横浜ブランド」の真価と、変わらぬモノづくりへの情熱に迫ります。

【目次】
横浜で64年の地元企業から見た「横浜ブランド」とは
【ブランド化の舞台裏】創業時の想いを未来へ。横浜シリーズ再始動のきっかけ
【モノづくりの真髄】てんさい糖のこだわりと60年受け継ぐ伝統のオーブン
【お菓子がつなぐ未来】「人の気持ちに寄り添う」温かな社風と人々の笑顔

横浜で64年の地元企業から見た「横浜ブランド」とは

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ヨコハマブランドを冠した商品ラインナップがズラリと!(※「横濱チーズサンド」は2026年10月末で終売予定)

一般的に「地名がついたお菓子」というと、観光地のお土産売り場に並ぶギフト商品を想像しがちです。しかし、宝製菓の看板商品である「横浜ロマンスケッチ」や「横濱バターサンド」などは、全国のスーパーマーケットで日常的なお菓子として売り場に並んでいます。

「地名入りの菓子が、特定地域の土産品としてではなく、全国や海外の店頭で日常買いされる通常商品として売れ続けるケースは非常に珍しいことと認識しています。北海道や京都、神戸などと並び、『横浜』という響きそのものが、日本全国、さらには世界各国でも『日本の歴史的で洗練された港町』として認識され、信頼と魅力を放っている証拠だと感じています」(生産事業部 工場長 根本 智章 氏)

一時の流行やギフト需要に頼るのではなく、日常に馴染む高品質な美味しさがあり、そこに「横浜」という信頼のブランドが加わる。それこそが、同社が実感している横浜ブランドの持つ本来の強みなのです。

【ブランド化の舞台裏】創業時の想いを未来へ。横浜シリーズ再始動のきっかけ

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美しい風景の中に、向上の風景が馴染む。


宝製菓が、創業地である藤沢市から現在の横浜市戸塚区に拠点を移したのは、1960年代のことでした。山梨出身で富士山に強い思い入れがあった創業者(祖父)が、高台から富士山を望む景観を気に入り、なおかつ国道1号線近くで横浜都心部や湘南方面のどちらにもアクセスしやすいこの地を選んだのが始まりです。

長年この地で製造を続けてきた同社ですが、自社を特に「横浜の企業」として打ち出すようになったのは、今から15年ほど前のことだったそう。

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宝製菓の三代目を継いだ岩崎社長。特に青春時代には、横浜市内に通い詰めたとのこと。

代表取締役社長の岩崎 智子 氏は、当時の社内での取り組みをこう振り返ります。

「40年以上前に発売された当社の『横浜ロマンスケッチ』のパッケージ裏面には、創業当時に祖父と一緒に働いていた社員が作った一編の詩(ポエム)が刻まれていました。山手や元町、山下埠頭など、港町・横浜の情景を描いたその詩を改めて見直した時、先輩方の街への想いと、長年この横浜で事業が出来ていることへの感謝が、改めて込み上げてきたんです。

そこから、先人たちの想いを受け継いで横浜に貢献しようと、パッケージデザインを現代に合わせて起こし直しました。発売当時はまだ無かった横浜ベイブリッジやみなとみらいの景観を新しく描き加え、印刷の版から作り直したんです」

さらに、地元への恩返しにとどまらず、世界を見据えたブランド開発についてもこう語ります。

「『横浜』という響きや名前は、日本全国はもちろん、海外やインバウンドのお客様にとっても歴史と魅力がしっかり根付いている強いブランドです。その魅力を生かすべく、横浜の開港文化やハイカラなイメージから着想を得て、チーズやバター、コーヒーといったフレーバーを取り入れた『横浜シリーズ』として商品展開を広げてきました。地元・横浜にしっかり根ざして地域貢献をしながら、世界へ向けても発信できるブランドとして、これからも大切に育てていきたいと思っています」(岩崎社長)

【モノづくりの真髄】原料へのこだわりと60年受け継ぐ伝統のオーブン

宝製菓の歴史は、戦後すぐの食糧難の時代、創業者が「飢えに苦しむ人々を助けたい」とパン売りを始めたことからスタートしています。管理部部長の井上 清 氏は、同社のモノづくりの原点について語ります。

「栄養価の高い小麦や砂糖、油脂を使ったビスケットは、特に当時、人々の心と身体を支える大切な存在でした。安心・安全を守り、食べた人を笑顔にするという姿勢は、時代が変わっても宝製菓の根底に流れる変わらない理念です」

そのこだわりの象徴が、原材料に使用されている「てんさい糖」です。一般的な砂糖に比べて旨味と奥深いコクが強く、このお砂糖をベースに据えることで、同社ならではのやさしくコクのある味わいが生まれます。

また、横浜工場でビスケットを焼き上げる釜の中には、60年前の移転当時から稼働している機械があります。

「デジタル機器では再現できない、このオーブンだからこそ出せる香ばしい熱伝導や焼き上がりがあります」と根本工場長。

「職人がその日の気温や湿度の変化を目や手で見極めながら焼き上げています。また、『昔から変わらない美味しさだね』と言っていただけるのが一番の喜びですが、実は時代やお口の好みの変化に合わせて、密かに味の微調整(バージョンアップ)を重ねています。お客様の思い出の中にあるイメージのまま、美味しさを更新し続けることこそが私たちの職人技です」(同)

【お菓子がつなぐ未来】「人の気持ちに寄り添う」温かな社風と人々の笑顔

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青い空に赤いブランドロゴが映える。

お菓子は単なる食べ物ではなく、人と人、人と地域をつなぐ小さなコミュニケーションツールでもあります。井上部長は「美味しいお菓子を食べることで心が和み、そこに会話や笑顔が生まれる。そんな日常のハッピーを生み出す存在であり続けたいですね」と笑顔を見せます。

この温かな製品を生み出す背景には、宝製菓が誇るアットホームな社風があります。岩崎社長は、社員やスタッフ全員を「ひとつの大きな家族」と表現します。

「働く一人ひとりがプロフェッショナルであり、全員で協力しなければ美味しいお菓子は作れません。現場で失敗があったとしても、頭ごなしに責めるのではなく『なぜ起きたのか』理由に親身になって耳を傾け、みんなで改善していく文化を徹底しています。働く人たちが安心して過ごせる環境があってこそ、お客様の命と健康を預かる安全なお菓子が生まれるんです」(同)

嬉しい時、悲しい時、ふっと一息つきたい時、どんな時でも傍らにあって心に寄り添ってくれるのがお菓子の魅力です。

「お菓子は、人の気持ちに優しく寄り添い、ハッピーにしてくれる存在です。伝統を守りつつ時代に合わせて進化を重ね、これからも横浜の地から世界へ、たくさんの笑顔をお届けしていきます」

さらに、これから同社を目指す未来の仲間へ向けて、岩崎社長は笑顔でこう呼びかけました。

「うちの会社には、お客様を笑顔にするツールをつくる楽しい仕事が待っています。辛い時も嬉しい時も、お菓子はいつでも人の気持ちに優しく寄り添うもの。温かい仲間たちと一緒に、お菓子を通してたくさんのハッピーを届けてみませんか?」

横浜で、戦後の食糧難から歴史を紡ぎ、現在も地元に根ざしながら世界に向けたブランドを作る――。そんなおもしろさが宝製菓というパッケージにつまっていました。

【会社情報】
宝製菓株式会社
本社・横浜工場:神奈川県横浜市戸塚区東俣野町1750 
代表商品:横浜ロマンスケッチ、横濱バターサンド、塩バタかまん など
公式サイト:https://www.takaraseika.co.jp

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大沢野八千代

1983生まれ。横浜の対岸の千葉市で、横浜ナンバーに憧れを抱いて育ったフリーランスの編集者・ライター。ハマスタでササカマにかじりついているところをテレビ中継で抜かれ、家族から指摘された過去を持つ。Googleマップのランクは7。

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